数学I|数と式

因数分解と解の公式

二次方程式を「積の形にする方法」と「どんな式でも使える方法」の両方から、理由ごと理解します。

最初から解の公式に飛びつかなくても大丈夫。まず因数分解できるか見て、難しければ公式へ進もう!
✦✦クリーム色のニット姿で二次方程式を説明する若い先生

1. 二次方程式とは

未知数xについて、いちばん高い次数が2である方程式を二次方程式といいます。すべての項を左辺へ集めると、基本形は次のようになります。

ax²+bx+c=0 (a≠0)

a、b、cは決まった数です。aが0だとx²の項が消えるため、二次方程式ではなく一次方程式になります。

因数分解積が0になる性質を使う
速くて見通しがよい
⇄
解の公式a、b、cを代入する
因数分解できなくても使える

2. 因数分解で解く

因数分解は、足し算の式を掛け算の形へ直す操作です。二次方程式では、次の「積が0になる性質」が中心になります。

AB=0 ならば、A=0 または B=0

0を作る掛け算では、少なくとも一方が0でなければなりません。

例題1:x²−5x+6=0

  1. 積が6、和が−5になる2数を探す。−2と−3。
  2. x²−5x+6=(x−2)(x−3)
  3. (x−2)(x−3)=0なので、x−2=0 または x−3=0。
  4. x=2、3。

例題2:先頭が1ではない場合

2x²+7x+3=0を考えます。a×c=2×3=6で、積が6、和が7になる2数は6と1です。

2x²+7x+3=2x²+6x+x+3
=2x(x+3)+1(x+3)
=(2x+1)(x+3)

したがって、2x+1=0 または x+3=0。答えは x=−1/2、−3です。

3. 解の公式

整数だけではきれいに因数分解できない式にも使える、二次方程式の共通ルールです。

x=(−b ± √(b²−4ac)) / (2a)

±は、+の場合と−の場合を両方計算する記号です。分母は 2a全体です。

部分役割
−bxの係数bの符号を反対にする
b²−4ac平方根の中身。解の個数や種類を決める
2a分子全体を割る

4. なぜ解の公式になるのか

公式は暗記だけの魔法ではありません。平方完成を一般的な文字で行った結果です。

  1. 出発点:ax²+bx+c=0
  2. 両辺に4aを掛ける:4a²x²+4abx+4ac=0
  3. b²を利用して左辺を平方の形にする:4a²x²+4abx+b²=b²−4ac
  4. 左辺をまとめる:(2ax+b)²=b²−4ac
  5. 平方根を取り、±を付ける:2ax+b=±√(b²−4ac)
  6. bを移項して2aで割る:x=(−b±√(b²−4ac))/(2a)

5. 判別式 D が教えてくれること

平方根の中身 b²−4acを判別式といい、Dで表します。

D=b²−4ac
D>0
異なる実数解が2個
D=0
重なった実数解が1個
D<0
実数解なし
複素数では2個

グラフ y=ax²+bx+cで見ると、D>0はx軸と2点で交わり、D=0は1点で接し、D<0は交わりません。

6. 解の公式を使う例題

例題3:2x²+3x−1=0

a=2、b=3、c=−1。符号まで含めて代入します。

D=3²−4×2×(−1)=9+8=17
x=(−3±√17)/(2×2)=(−3±√17)/4

√17は整数にならないため、この形が正確な答えです。

例題4:x²+6x+9=0

D=6²−4×1×9=0
x=−6/2=−3

±√0はどちらも0なので、解は1種類です。これは(x+3)²=0と同じ結果です。

例題5:x²+2x+5=0

D=2²−4×1×5=−16

実数の範囲では負の数の平方根を作れないため、実数解はありません。複素数まで広げると x=−1±2iです。詳しくは次の「虚数」編で扱います。

7. どちらの方法を選ぶ?

① 共通因数がある:最初にくくる。例:2x²−6x=2x(x−3)。
② すぐ因数分解できる:因数分解が最短。
③ 平方の形が見える:(x−p)²=qへ変形して平方根を取る。
④ 迷う・分解できない:解の公式なら必ず進められる。

8. 確認問題

  1. x²−7x+12=0
  2. 3x²−2x−1=0
  3. 2x²+4x−3=0
  4. x²−4x+7=0(複素数まで求める)
答えと途中式を確認する

1:(x−3)(x−4)=0より、x=3、4。

2:(3x+1)(x−1)=0より、x=−1/3、1。

3:D=4²−4×2×(−3)=40。x=(−4±√40)/4=(−2±√10)/2。

4:D=(−4)²−4×1×7=−12。x=(4±√−12)/2=2±√3 i。