因数分解と解の公式
二次方程式を「積の形にする方法」と「どんな式でも使える方法」の両方から、理由ごと理解します。

1. 二次方程式とは
未知数xについて、いちばん高い次数が2である方程式を二次方程式といいます。すべての項を左辺へ集めると、基本形は次のようになります。
a、b、cは決まった数です。aが0だとx²の項が消えるため、二次方程式ではなく一次方程式になります。
速くて見通しがよい
因数分解できなくても使える
2. 因数分解で解く
因数分解は、足し算の式を掛け算の形へ直す操作です。二次方程式では、次の「積が0になる性質」が中心になります。
0を作る掛け算では、少なくとも一方が0でなければなりません。
例題1:x²−5x+6=0
- 積が6、和が−5になる2数を探す。−2と−3。
- x²−5x+6=(x−2)(x−3)
- (x−2)(x−3)=0なので、x−2=0 または x−3=0。
- x=2、3。
例題2:先頭が1ではない場合
2x²+7x+3=0を考えます。a×c=2×3=6で、積が6、和が7になる2数は6と1です。
したがって、2x+1=0 または x+3=0。答えは x=−1/2、−3です。
3. 解の公式
整数だけではきれいに因数分解できない式にも使える、二次方程式の共通ルールです。
±は、+の場合と−の場合を両方計算する記号です。分母は 2a全体です。
| 部分 | 役割 |
|---|---|
| −b | xの係数bの符号を反対にする |
| b²−4ac | 平方根の中身。解の個数や種類を決める |
| 2a | 分子全体を割る |
4. なぜ解の公式になるのか
公式は暗記だけの魔法ではありません。平方完成を一般的な文字で行った結果です。
- 出発点:ax²+bx+c=0
- 両辺に4aを掛ける:4a²x²+4abx+4ac=0
- b²を利用して左辺を平方の形にする:4a²x²+4abx+b²=b²−4ac
- 左辺をまとめる:(2ax+b)²=b²−4ac
- 平方根を取り、±を付ける:2ax+b=±√(b²−4ac)
- bを移項して2aで割る:x=(−b±√(b²−4ac))/(2a)
5. 判別式 D が教えてくれること
平方根の中身 b²−4acを判別式といい、Dで表します。
異なる実数解が2個
重なった実数解が1個
実数解なし
複素数では2個
グラフ y=ax²+bx+cで見ると、D>0はx軸と2点で交わり、D=0は1点で接し、D<0は交わりません。
6. 解の公式を使う例題
例題3:2x²+3x−1=0
a=2、b=3、c=−1。符号まで含めて代入します。
√17は整数にならないため、この形が正確な答えです。
例題4:x²+6x+9=0
±√0はどちらも0なので、解は1種類です。これは(x+3)²=0と同じ結果です。
例題5:x²+2x+5=0
実数の範囲では負の数の平方根を作れないため、実数解はありません。複素数まで広げると x=−1±2iです。詳しくは次の「虚数」編で扱います。
7. どちらの方法を選ぶ?
8. 確認問題
x²−7x+12=03x²−2x−1=02x²+4x−3=0x²−4x+7=0(複素数まで求める)
答えと途中式を確認する
1:(x−3)(x−4)=0より、x=3、4。
2:(3x+1)(x−1)=0より、x=−1/3、1。
3:D=4²−4×2×(−3)=40。x=(−4±√40)/4=(−2±√10)/2。
4:D=(−4)²−4×1×7=−12。x=(4±√−12)/2=2±√3 i。