数学B|数列

等比数列

同じ数を掛け続ける並びを、倍々に増える場面から第n項の式へつなぎ、和の公式を「ずらして引く」図で作ります。

等差数列が“何回足したか”なら、等比数列は“何回掛けたか”。まずは具体的な増え方を追いかけよう。
✦✦クリーム色のニット姿で等比数列を説明する若い先生

1. まず、毎回同じ倍率で増える場面を見る

ある植物の芽が、1日目に3個あり、1日ごとに2倍になるとします。

1日目3
2日目6
3日目12
4日目24
5日目48

できた数列は 3, 6, 12, 24, 48, …です。隣の項へ進むたびに2倍。このように、前の項へ毎回同じ数を掛けてできる数列を等比数列といいます。

名前この例意味
初項 a₁3最初の項
公比 r2毎回掛ける一定の数
第n項 aₙまだ不明n番目の項

2. 第n項の式を、掛けた回数から作る

第1項の3から、2を何回掛けたかを書きます。

第1項:3
第2項:3×2
第3項:3×2×2=3×2²
第4項:3×2×2×2=3×2³
第5項:3×2⁴=48

第n項へ行くまでに2を掛ける回数はn−1回です。

第n項 = 3×2ⁿ⁻¹

3を一般的な初項a₁、2を公比rへ置き換えると、一般項ができます。

aₙ=a₁rⁿ⁻¹

第n項 = 最初の数 ×(毎回掛ける数)n−1

3. 例題:第6項を求める

初項4、公比2の等比数列 4, 8, 16, 32, …の第6項を求めます。

  1. a₁=4、r=2、n=6を確認する。
  2. a₆=4×2⁶⁻¹
  3. =4×2⁵=4×32=128

4を出発点に、2を5回掛けた結果です。

4. 和を、ブロックの大きさで見る

まず 1+2+4+8+16を考えます。前の数を全部合わせた量より、次の数が1だけ大きくなっています。

1、2、4、8、16の合計と32の比較幅が1、2、4、8、16に対応する5本の棒の合計31と、幅32の棒を比べると、前者は1だけ短い。124816合計 31次の大きさ 3231は32より1だけ小さい1+2+4+8+16=31=32−1
2倍ずつ増える場合、ここまでの全部を足すと「次の大きさ−最初の1」になります。

公比2、初項1の特別な例では見た目で分かります。一般の場合にも使えるよう、次は数列全体をr倍して、項を1つ分ずらします。

5. 和をr倍して、同じ項を消す

初項a、公比rの最初のn項の和をSとします。

rSからSを引くと、途中にある同じ項がすべて消え、最後のarⁿと最初のaだけが残ります。

rS−S=arⁿ−a
(r−1)S=a(rⁿ−1)

r−1で割って、和の公式になります。

Sₙ=a₁(rⁿ−1)/(r−1) (r≠1)

同じ式を a₁(1−rⁿ)/(1−r) と書くこともあります。

6. 例題:初項から第6項までの和

初項4、公比2の等比数列の初項から第6項までを足します。

S₆=4×(2⁶−1)/(2−1)
=4×(64−1)=4×63=252

実際に 4+8+16+32+64+128を足しても252です。

7. 公比によって見た目は変わる

r>1
2, 6, 18, …
大きさが増える
0<r<1
8, 4, 2, …
0へ近づく
r<0
2, −6, 18, …
符号が交互

r=1なら、すべての項がa₁です。この場合、公式は分母が0になるので使わず、Sₙ=na₁と考えます。

8. 確認問題

  1. 5, 15, 45, 135, …の公比と第7項を求める。
  2. 初項3、公比2の等比数列の初項から第8項までの和を求める。
  3. 16, 8, 4, 2, …の第6項を求める。
答えと考え方を確認する

1:公比は3。a₇=5×3⁶=3645。

2:S₈=3×(2⁸−1)/(2−1)=3×255=765。

3:公比は1/2。a₆=16×(1/2)⁵=1/2。