数学I|図形と計量

三角比入門

sin A・cos A・tan A は、直角三角形の「角度」と「辺の長さの比」を結びつける道具です。

まずは「どの角から見るか」を決めよう。辺の名前を書き込めば、もう半分できたようなものだよ!
✦✦クリーム色のニット姿で三角比を説明する若い先生

1. まず言葉を整理する

直角三角形で、注目する角を A とします。3辺は角 A から見て次のように呼び分けます。

角Aから見た直角三角形の3辺 左下の角Aから見て、縦の赤い辺が対辺つまり高さ、下の緑の辺が隣辺つまり横方向、青い斜めの辺が斜辺であることを示す図。 A B C(直角) 斜辺 対辺 = 高さ 隣辺 = 横方向 注目する角
sin A:高さ ÷ 斜辺
cos A:横方向 ÷ 斜辺
tan A:高さ ÷ 横方向
角 A を基準にすると、向かい側が「対辺」、横に接する辺が「隣辺」です。
辺見分け方
斜辺直角の向かい側。必ず最も長い辺
対辺角 A の向かい側の辺
隣辺角 A に接する辺のうち、斜辺ではない方
sin A = 対辺 ÷ 斜辺
cos A = 隣辺 ÷ 斜辺
tan A = 対辺 ÷ 隣辺

ここで大切なのは、辺の名前が固定ではなく、どの角を見ているかで対辺と隣辺が入れ替わることです。斜辺だけは変わりません。

2. 何を表しているのか

同じ角度 A をもつ直角三角形は、大小が違っても相似です。したがって対応する辺の比はいつも同じです。この一定の比に sin、cos、tan という名前を付けています。

高校数学Iでは、まずこれらを「三角比」として学びます。その後、角度の範囲を広げて考えると「三角関数」になります。

3. 例題

問題
∠C=90°の直角三角形ABCで、AC=5cm、BC=12cmです。sin A、cos A、tan Aを求めなさい。
辺の長さが5、12、13の直角三角形ABC 左下が角A、右下が直角C、右上が角B。ACが5センチ、BCが12センチ、斜辺ABが13センチの三角形。 A B C(直角) AC=5cm BC=12cm AB=13cm
角Aから見ると、BCが対辺、ACが隣辺、ABが斜辺です。

解き方

まず三平方の定理から斜辺ABを求めます。

AB² = 5²+12² = 25+144 =169

長さは正なので AB=13cm。角Aから見ると、対辺=BC=12、隣辺=AC=5、斜辺=AB=13です。

答え
sin A=12/13  cos A=5/13  tan A=12/5

4. 公式どうしの関係

対辺を a、隣辺を b、斜辺を c とすると、三平方の定理 a²+b²=c² より、両辺を c² で割って、

sin²A + cos²A = 1

また、(対辺÷斜辺)÷(隣辺÷斜辺) を計算すると、

tan A = sin A ÷ cos A

5. 確認問題

直角三角形で、注目する角θの対辺が8、隣辺が15です。斜辺、sin θ、cos θ、tan θを求めてください。

答えを確認する斜辺は17。sin θ=8/17、cos θ=15/17、tan θ=8/15。